December 2009
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浮かぶ粘土
美しい雪道を走り出し、坂を滑り降り、車は思いがけずにガードレールを飛び越えて崖の下へ落ちていった。谷底から五頭の鹿と、粘土で作られたオブジェが這い上がってきた。車に乗っていた奴らだった。彼らは崖の上の道まで這い上がり、中には途中で力尽き、落ちたものもいるが、そのまま自分たちの足にタイヤを付けて再び雪道を走り出して行った。鹿は雪を避け、粘土はそのまま雪を受け、5km程走ったところで粘土たちは重みに耐えきれず、またもカーブで崖の下へ落ちていく。身動きの取れない粘土たちは上下左右の感覚を失い、内側から煙を出して浮遊し始めた。近くに住む村人たちはその一連の事件を目撃し、不思議な体験として話し始めた。「あれこそが神だった」「いや、侵略者だ」「違う、単なるゴミだ」などと噂話をし、伝説が一人歩きする。...
大根
気を強く持たなければ納豆に追いかけられ、一度でも体に触れられれば発狂したかのように顔色を変え、大根を狂気として私が走り続けていくというゲーム
予定
明日の予定 ・居眠り ・傘を20本売ること ・体毛を剃る ・人間の曲線と直線を混ぜる ・80台分の車の下に隠れる
丸太ジャンプ
足をいっぱいに広げて新体操をしながら、横断歩道の白い部分だけジャンプしていく。その時にジャンプが2mを越すとカラスが耳をつついてくるので気をつけながらジャンプするというのが、都市部での習わしだ。 習わしではないが、習わしのようなものだ。 私たちはそういった習わしに従いながら、それでもカラスを撃退せずに3mを目指そうと、オセロしている。そう、私たちメンバーはオセロな繋がりで成立している。横歩きでカニのように、背中を曲げてエビのように、そんなに地に足をつけて丸太を切っているんじゃない。 丸太だって乗りたいけども。
機材
乳児の数が増えている。 とりあえず、どこまで分裂していくか、ガスは発生しているか、など注目すべき点はいくつかあるが最も見逃してはならない点というのが乳児が増えることだ。とにかく鶏皮を大量に焼いていないと追いつかないのでアルバイトを時給850円で雇い入れた。 初日にこちらの作業場で一連の作業を覚えてもらい、休憩時間を使って外で連続的に餅を撒いてみた。50分の休憩をしっかり取りきらないうちに、油断していると乳児は増えていく。更に下手をすればガスも漏れるし、クリームもはみ出る。体力に自信の無い人には苦しいかもしれないが、なんとか850円でやっていかなければ、新たな機材を導入できない。 この機材さえ導入できれば、公道を走ることができるし、険しい山道を登って道に迷う事だってできる。しかし機材を導入しても鈴がなければ意味がない。
USB
今年最も力を入れていたのはカメレオンを飼い慣らして、USBを繋げるという事でした。 始める前はカメレオンが死ぬのではないかとか、もしかしたら自分が死ぬのではないかとか、電気代が払えなくなるとしか思えなかったのですが、電気代を払う事は出来ました。 更に無理矢理ではありますが、カメレオンの口にUSBを繋げる事ができ、カメレオンの中にjpg、gif、png、movは取り込む事ができました。研究の結果、対応していなかったのはtiff、mp3、wav、m4v、iso、avi、ゴルゴンゾーラチーズ。他の拡張子に関しては読み込んだり読み込まなかったり、飲み込んだりでした。 当初の予定を大幅に変更して来年春まで続きそうな研究ですが、今度こそ電気が止まらないことを祈るばかりですし、牡蠣の養殖の件で頭が一杯なのでお客様にはしばしお待ち頂くしかありません。
ひっこす
うちの田舎には「ひっこす」が出現するという言い伝えがあります。私たちが高校生ほどの年齢になったとき、課外授業としてその「ひっこす」を探した事があります。 しかし、「ひっこす」を探すと言っても手がかりは特にありません。唯一の手がかりはこの地域にしか出ないという事だったし、「ひっこす」を探すためには「せんぴょう」が不可欠でした。「せんぴょう」は地元のホームセンターに売っていましたが、ひどく高価なものでしたし、家族ぐるみで体当たりしてもびくともしない甲殻類でした。...
魚おじいさん
僕の三歳の頃はよく、湖で巨大な魚と遊ぶ事が流行っていました。 巨大といっても全長3mぐらいで、人間の半分ぐらいしかありませんでした。家庭科室で作ったカタマリをぶつけたり、僕たちの背中を45度に曲げて、その上からカタマリを転がし、加速したカタマリが魚に当たり、それを魚が食べ、柔らかくして湖に吐くという遊びが主流でした。 その魚は今は、その地域の「おじいさん」として町内会長に任命され、こども会の行事などを取り仕切っています。 僕の孫は「おじいさん」に海に連れて行ってもらって、そこでその遊びを教えてもらったらしいです。 感激しました。 懐かしい思いがこみあげて来て、思わず両手をいっぱいに挙げて空にむかって「マホガニー」と叫びました。
屋根で虫を干す
河童の出る小川のほとりに足の血を吸う虫がびっしり付いていた。 自分でその虫を持って帰るのが嫌なので、友人に持って帰らせ、二日間屋根の上で干し、再度、道の駅まで持ってきてもらった。 二日前に会ったときよりも鼻血が出ていたが、僕はあまり気にしなかったし、彼も全く気にしていなかった。気にしていたのは周りの知らない人たちだった。とりあえずコンビニのガラスにその虫を貼って、店長にお礼を頂いて帰ったのだが、いつものように包帯を店に忘れてしまったのでまた取りに向かった。 しかしなんと取りに向かう途中、信号にひっかかってしまったのだった。